2007年03月12日 23:15
西武のスカウトが、アマチュア選手2人に金銭を供与していた裏金問題で、金銭授受していた1人が社会人野球の東京ガス野球部の木村雄太投手(21)=秋田・秋田経法大付出=であることを10日、明らかにした。また、もう1人の選手は早大の内野手(3年)であることも判明し、内野手の父親は金銭の授受を認めた。
西武から1025万円余りを受け取っていたアマ選手は、早大の現役内野手(3年)であることが判明。内野手の父親は10日、神戸市の自宅で、金銭の受け取りを認め「奨学金のようなもの。入団したら契約金から返す約束だった」と話した。
父親によると、内野手は中学時代に西武のスカウトの目に留まったが、父親は大学進学を勧めた。早大から誘いを受けたため、西武側に「学費が高くつく」と相談すると、「援助する」と言われたという。
毎月20万円ずつ手渡され、05年10月に500万円を受け取った。大学卒業後に西武に入団したら契約金から天引きする約束で、契約書のようなものにサインもしたとしている。「悪いことをした認識はない。この件はわたしの独断で息子は一切知らないことだった。こんな騒ぎになって息子がかわいそう。受け取った金はちゃんと返す」と語った。
内野手は05年秋以降はけがなどでリーグ戦には出場しておらず、現在、沖縄県浦添市で行われている春季キャンプにも参加していない。金銭授受が確認されれば、日本学生野球憲章により退部処分になる。
早大側は週明けにも調査委員会を設置する方針で、当該選手及び応武篤良監督(48)らから事情聴取する。応武監督は「全く寝耳に水。事実確認ができていないのでお答えしようがない」としたが、西武に対しては「明るいニュースで大学野球が盛り上がっているところに、こんな形で水を差されてしまった」と憤りを隠さなかった。