2007年10月31日 09:54
滋賀県立成人病センター(守山市)の2006年度の外来と入院の延べ患者数が、前年度と比べて約2万7000人も減少したことが分かった。患者の入院日数の減少や軽症の患者が診療所に行く傾向が高まっていることが一因とみられる。県病院事業庁は「患者の病院離れは良い傾向だが、収益が減るのは厳しい」と複雑だ。
06年度の延べ入院患者数は13万8375人で、前年度比1万279人の減。延べ外来患者は22万8352人で、前年度と比べて1万6453人減った。いずれもここ数年は減少傾向が続いているという。
患者数の減少の理由として、県病院事業庁は、入院については患者1人当たりの平均在院日数が05年度に17・1日だったのが06年度には16・2日に減少したことや、医師や看護師の不足で今年1月に1病棟(52床)を閉鎖したことを挙げている。
外来については、診療所と病院の役割を分担する「病診連携」が進み、軽症の患者が診療所に行く傾向が強まった、としている。
患者数の減少に伴い、入院収益は前年度比約2億6700万円減、外来収益は同約2億600万円減少し、病院経営を圧迫している。
同庁経営管理課は「経営努力を進めるしかない。医師や看護師の発掘はもちろん、診療所と連携して新たな患者の確保にも努めたい」としている。