2006年10月16日 22:59
「新駅が本当に地元のメリットになるのか。でも、ここでやめたら補償にお金がかかるし…」。新駅中止の立場の同市綣の主婦だが、確信がある訳でもない。「すでに自分たちの税金がつぎ込まれている。ここまで来てしまったからには、行くも帰るも大変だ」と語る。
5年間の人口増加率が9・1%(05年国勢調査速報値)と、他地域からの人口流入が続く栗東市だが、一方で地縁や血縁など、旧来のつながりを非常に大切している地域でもある。古くから市内に住む住民は「栗東は“見え”をはりたがる地域性。家を建てる時も、身の丈以上に立派にしたがる人が少なくない」と指摘する。
しかし今回の市長選では、有権者がどのような思いを持って投票しようと、当選した候補の主張がそのまま市民の「意思」として全国に示される。市外の人にしがらみや見えは通用しない。思想の自由は憲法で保障され、投票はもちろん無記名だ。市民にとって、今回の選挙はしがらみにとらわれず、候補者の政策について合理的に考えて投票できるまたとない好機ではないだろうか。